熊本と大分の県境に残る、忘れられかけた温泉街「杖立温泉」
杖立温泉は、かつての賑わいの面影と、新しく芽吹き始めた町の変化が静かに共存する、川沿いの温泉街です。
杖立温泉は、熊本県と大分県の県境近く、細い谷あいに広がる温泉地です。昭和の初期から中期にかけては、湯治客や観光客で賑わい、旅館や浴場、娯楽施設が立ち並ぶ活気ある町でした。しかし現在は、当時の名残を感じさせる昭和の建物や、使われなくなった店舗、空き家となった建物も多く残っています。厳しい自然環境や過疎化、高齢化の影響を受けながらも、今も小さな旅館や商店がこの土地で営業を続けています。杖立温泉の歴史はおよそ1,800年前までさかのぼるともいわれ、現在も町のあちこちから高温の湯けむりが立ち上っています。
近くの市場で野菜を買って、地熱の蒸気で蒸してみましょう。
一方で、杖立温泉は完全に時間が止まってしまった町ではありません。古い建物を活用した宿泊施設や小さなお店、地域のイベントなどを通して、少しずつ新しい動きも生まれています。杖立川沿いの細い道を歩けば、古い共同浴場や歴史ある旅館、新しく整えられた空間が入り混じり、町の異なる時代を同時に歩いているような感覚になります。町全体は徒歩で回りやすく、川や橋、湯けむり、谷あいに重なる建物の風景は、写真を撮る場所としてもとても魅力的です。
天気の良い日の町並みはとても絵になりますが、この美しい谷間の地形は、梅雨の時期に鉄砲水が発生しやすい要因にもなっています。
私たちはこれまで何度も杖立温泉を車で通り過ぎてきましたが、今回初めて実際に宿泊してみました。そこで感じたのは、想像していた以上に静かで快適で、歩きやすく、子ども連れでも過ごしやすい場所だということでした。小さな昔ながらの旅館に泊まるのもいいですし、「つえたて温泉ひぜんや」のように、歴史ある温泉地の雰囲気を残しながら、ホテルと旅館の快適さを兼ね備えた施設を選ぶこともできます。カメラを持って訪れるなら、朝の早い時間帯か夕暮れ時がおすすめです。谷あいに柔らかな光が入り、建物の間から立ち上る湯けむりが、町の少し懐かしい空気をより印象的に見せてくれます。
杖立温泉の基本情報
英語対応度:2.5/5
観光協会や大きな宿泊施設には英語の案内がありますが、小さな店舗や地域の案内表示は日本語のみの場合が多いです。基本的な日本語があると、より安心して過ごせます。
車でのアクセス:
黒川温泉から約35〜40分。福岡市中心部からは、通常の交通状況で約1時間30分です。
電車でのアクセス:
N/A
杖立温泉内に鉄道駅はありません。最寄りの主要駅はJR日田駅で、そこからバスで約40分です。
バスでのアクセス:
JR日田駅から日田バスまたは九州産交バスで約40分。博多バスターミナル、天神、福岡空港からは高速バスで約2時間30分です。
英語表記の住所:
4173-5 Shimojo, Oguni-machi, Aso-gun, Kumamoto 869-2503, Japan
※杖立温泉観光協会および共同駐車場付近の住所です。
Googleマップ:
https://www.google.com/maps/search/?api=1&query=Tsuetate+Onsen+Kumamoto
営業時間:
町並みや川沿いの散策はいつでも可能です。共同浴場、飲食店、カフェ、観光施設の営業時間は店舗ごとに異なり、不定休の場合もあります。
料金の目安:
町の散策は無料です。入浴料金は施設によって異なります。ひぜんやの「吉祥の湯」では、日帰り入浴は大人1,600円、子ども800円、貸切家族風呂は1時間3,500円です。
駐車場:
観光協会付近に共同駐車場があります。ひぜんやには、宿泊客や施設利用者向けの無料駐車場もあります。春の鯉のぼり祭りや大型連休中は、混雑することがあります。